能登半島地震被災地視察報告(2) 会長 冨川和將

4月8日(月)

6時にホテルをチェックアウトした後、レンタカーで珠洲市にある珠洲商工会議所へ向かいました。道中の高速道路は山が崩れたことに伴い、道路全体が崩れ落ちていたり、片側が崩れ落ちていたり、コンクリートが剥がれ土だけになっていたりという状況でした。そのため金沢から能登へ行くには高速道路が1本あるのですが、それは能登へ行くだけの片側通行となり、帰りは県道や市道などを使い金沢へ戻ることとなります。

10時前に珠洲商工会議所へ到着。珠洲市は町全体で家屋の倒壊や電信柱の倒壊、道路の陥没などひどい状態でした。また珠洲商工会議所付近は津波もあったようで、車の上に車が乗っていたり、信号が倒れかけたまま点灯していたり、大型のスーパーが入り口から倒壊していました。

11時に、珠洲市でも特に被害の大きかった宝立地区へ向かいました。宝立地区は地震と津波によりほとんどの家屋が倒壊しており、辺り一面瓦礫の山となっていました。ここでは、宝立小中学校へ行き、被災者の方へ炊き出しの手伝いを行いました。少しでもたくさん食べていただき、元気になって欲しいと思い多めにご飯をよそうのですが、被災所に避難されている方はお年寄りの方が多く、ご飯は少な目が良いという方が多くいらしゃいます。お年寄りの方が多く避難所生活をされていることに心を痛めました。避難所では自衛隊がお風呂を出していたり、市や企業が移動式トイレや移動式コインランドリ-、移動式ワークスペースやキッチンカーを提供していたりと、多くの支援がされていました。しかし未だに珠洲市では水道の復旧率が10%程度と低く、生活するにはまだまだ復興は遠い感じでした。

15時に志賀町にある富来商工会議所へ到着しました。付近は倒壊している家屋もそこまではなく、たまに倒壊したまま放置されているという感じでした。ただ少し前まではその富来商工会議所自体も避難場所となっていたため、避難者の方が寝泊まりをしていたようです。

今回は2日間に渡り被災地を視察させていただき、被災地支援と税理士について考えました。そして分かったことは、無料税務相談などは復興が進んでからでしか意味がないということ、震災が発生し3ヶ月が経過しましたが被災地の方はまだ生きていくことで精一杯な状況であること、さらに例え要望があったとしても無料相談会を開催する場所がないということです。また震災や津波の被害を受けると帳簿や証憑類が無くなってしまうこと。このような状態で申告しようにもどうすればいいのかが分からないとのことでした。その中で今後我々税理士が出来ることとすれば、このような特殊な状況における場合の税務対応マニュアルの様な分かりやすいものを作成し、被災地で活用していただく、このようなことではないのかと思います。

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