国際部副部長の中村です。
本年度三谷執行部での国際部研究報告会は、全青税初となるWEBによる直接配信型の研修会となりました。平日の夕方にもかかわらず、全国から60名ほどのご参加をいただきました。あまり馴染みのない国際部活動の一端を全国の青税会員のみなさまにお伝えすることができました。
今回の研究テーマは『税理士が知っておくべきCRS(共通報告基準)』と題して、税務からはちょっと離れた切り口で取りまとめを行いました。
CRSとは租税回避防止を目的として財産情報や所得情報を各国間で共有するための仕組みで、税理士の日常業務とはあまり馴染みのない分野の話です。「どんな仕組みで海外の資産情報が税務署に筒抜けになるのか」といった視点で、税理士として知っておくべき基本的な知識を習得することを目的としました。
執筆にあたっては、国際部のみならず三谷会長はじめ他の部の有志にもご参加いただきました。各々が業務を抱える中での取りまとめとなりますので、当初は一人当たりの所要時間を3時間以内に抑えることを目標に、簡単なレジュメを作って終わりにしようといった、ライトな雰囲気で準備を始めました。しかし、なかなかそういうわけにもいかず、結果として徹底的に作り込んだ報告会資料が完成しました。たくさんのアイデアをみなさんからいただき、初めにイメージしていた報告会とは全く違うものとなりました。告知チラシについても広報部長のセンスが炸裂し、かなりの注目を浴びるものとなりました。
参加メンバーは「概要説明」「用語集作成」「ケーススタディ」の3チームに分かれて、資料集め、報告レポートの取りまとめ、報告会での解説までを分担しました。本年は新型コロナ禍の影響により実際に参集しての部会開催が困難でした。そのためすべてをWEB上でまとめていくという不便な制約下での準備となり、各チームとも夜も更けた時間に打ち合わせを重ねることとなりました。
レポートをまとめていく過程で、地球規模の壮大な徴税網の中にも、私たち個人が関係する部分が随所にあることを感じました。また、こうした仕組みが昨今話題の行政のスマート化やFintechといったものと接続することで、SFに登場する怪物のような監視網が出来上がる可能性もあるのだろうか、そんな近未来では税理士はどんな活躍ができるのだろうか、といったことに思いを馳せたりもしました。
おかげさまを持ちまして、全青税国際部発足10周年の節目に全国の青税会員向けにきちんとした形で報告会を開催することができました。改めまして心より感謝申し上げます。